オーストラリア(豪州)
 
欧米豪各国の新型コロナウイルスの状況に続いて、各国の旅行業界の現状をお届け致します。
今回はオーストラリア編です。
 
オーストラリアの航空会社ヴァージン・オーストラリアがアジアの航空会社で初めて経営破綻したことでも最近話題になりました。アクセスのしやすさ、また日本のスキーリゾートに多くオーストラリア人が集まるなど日本の観光業界とも親和性が高く、欧米「豪」として注目の市場の1つとなっているオーストラリアはどんな様子なのでしょうか。

外出は「必要不可欠な場合のみ」以外禁止、屋内外問わず集まるのは2人未満、同世帯の人との外出は可能だが、結婚式や葬式などにも最大人数制限が設けられるなどの制限があります。違反すると最大で1万1000豪ドルの罰金や懲役が科される州もありますが、各州によって対応は大きく異なります。
 
現地の人は自身たちを「レジリエンス力(回復力、復元力)の高い国民性」だと自負しています。そのため、コロナ禍からの海外旅行の回復も他国よりも早いのではと見込まれています。
 
トレード業界
現地の旗艦航空会社各社(カンタス、ジェットスター)では5〜6月末まで一般旅行者向けのフライトをほぼ全面的に停止しています。そのため、他市場と同様新規予約が取れない状況下にあってやはり旅行会社各社ではオンライン・トレーニングに関する要望が非常に高まっています。
オーストラリア人のレジリエンス力や日本旅行の人気を考えると、予約回復など関連する動きが他市場よりもずっと早まる可能性があります。また、「信頼のおける旅先」から順に回復していくだろうという予測が出されており、リピーターも多い日本はその中でもかなり早い段階で渡航者が増えると見込まれています。
 
メディア業界
こちらでも他市場と同じく、旅先を体験した気分になれる動画や、旅先を連想できるような家でできる料理のレシピなど、家にいながら旅先を想起させるコンテンツのニーズが現地メディアから非常に高まっています。
 
また自然など環境にやさしいサスティナブルなコンテンツもとてもニーズが高く、日本のその地域ならではの古来の文化(例えば塩田式の製塩技術、海女さんによる漁など)の発信は非常に有効です。特にそれが分かる画質のいい写真が一緒にあるとベストです。
 
オーストラリアはリピーターや知日家が多い分、東京や大阪、京都のようなメジャーな観光地よりコアな観光地の情報が求められています。オーストラリアの旅行関連記事を見ていると、日本人でも知らないようなコアな観光情報が色々と紹介されています。
 
例:get lost magazine:佐渡島、島根「島後」の諸島

Sado, Japan’s Island of Gold

Trek to a sacred Japanese waterfall


 
アフターコロナの対策として、国内や近隣のアジア諸国からの旅行者回復を図るデスティネーションが多いかもしれませんが、レジリエンス力の高いとされるオーストラリア市場も見逃せないマーケットです。
 
次回以降も各国ごとの情報や欧米豪各国のチームと連携して仕事をしているCHAPTER WHITEならではの視点でご紹介できればと思います。