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8月になり、日本のほとんどの地域で長い梅雨が終わり本格的な夏の到来となりました。
新型コロナウイルスの影響で夏のお祭りなどのイベントが中止になったり、お盆の帰省を控える動きもあるなど例年の夏とはかなり違った雰囲気です。

欧米豪各国でも各国内の状況によって旅行業界の雰囲気や状況にもかなり差が出てきました。
今後の状況も新型コロナウイルスの流行状況などによって急にかつ大きく動きが変わる可能性もありますが、7月末時点での欧米豪各国の旅行業界の動きをご紹介します。
 
イギリス
日常生活:
「出来るだけ」家にいること、「可能な限り」在宅で仕事をすることは奨励されているが、8月1日よりボーリング場、スケートリンク、カジノなどの再開も発表されており、施設閉鎖の制限はこれでほぼ全て解除となる。また、ジョンソン首相はクリスマスまでに大幅な正常化を目指す旨の発表を行った。
 
旅行業界の動き: 

  • 高級ツアーオペレーターでは、個人旅行よりも旅行代理店パートナーを通じて予約するメリットを強調したマーケティングを行う会社も出てきた。
    これは、2019年9月にイギリスの大手旅行会社トーマスクックが破綻した際に、帰国困難者が15万人出るなどした背景を受けて、万が一のことがあった際に保証やバックアップ体制がしっかりしている旅行代理店などで予約する利点を踏まえてのことだと考えられる。
  • また、今後の旅行予約について、10月は歴史的に日本を含む長距離の目的地に関して大きな動きがある月であり、現地大手メディア「The Telegraph」は今年も次の春/夏の予約と大きな違いは出ず、例年と同水準の予約の活発化があると予測している。
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    フランス
    日常生活:
    EU加盟国含むヨーロッパエリアの国では引き続き自由に旅行が可能である。多くの人が夏のバケーションで旅行する可能性があることを鑑み、政府では正しい対策をしながら夏の休暇を過ごすための啓蒙ビデオを作成しウェブサイトで公開している。


     
    旅行業界の動き: 

  • 現地のツアーオペレーターが組織する団体では、パッケージ旅行を予約した顧客への推奨事項を更新した。また、フランス、シェンゲン協定国、イギリス、海外フランスへの出発は維持されているが、その他の国への出発は8月28日まで再延期となった。
  • 旅行会社からの依頼を受け現地調査会社が実施した調査によると、フランス人の57%がこの夏の休暇に行く予定をしており、それらのうち8%は海外旅行を考えている。また62%が既に旅行を予約済み。 現在、ホテルやキャンプ場などの集合型宿泊施設が最初の選択肢であり、Airbnbなどのプラットフォームを介したバケーションレンタルも急成長している。
  • 自粛期間を通して大都市圏の人々がより快適な生活環境、より良い環境、そしてより持続可能なライフスタイルを求める傾向が強くなっている。今後メディアもそうした記事の掲載を強化していくことが予想され、旅行に際しても引き続き「持続可能(サスティナブル)」が重要なワードになると考えられる。
  • コロナウイルスの影響により地方紙はじめ各地方・各地域に密着したメディアの価値が見直されており、各地での影響力、存在感を高めている。
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    オーストラリア
    日常生活:

  • 他の州の対策とは異なり州外からの立ち入りを禁止していたクイーンズランド州も7/10より州間の移動緩和をスタート。
  • 一方で、メルボルンを有するビクトリア州ではメルボルン近辺で再度感染拡大が起こったことを受け、メルボルン周辺のエリアで6週間のロックダウン期間に入っている。(8/19までの予定)
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    旅行業界の動き: 

  • 政府作成の観光再開タスクフォースが再発行され、海外旅行は早ければ9-10月に「COVIDにおいて安全な国」で再開するとしている。まず最初に再開されるのはニュージーランドと南太平洋だと考えられるが、日本も初期段階で再開する長距離市場の1つであると予測している。
  • 現地大手旅行会社の多くは旅行再開のスケジュールをより楽観的に見ており、国境の再開が発表されたら、できるだけ迅速に営業とマーケティングを再開する準備をしていると公表した会社も複数ある。キャンセルされた予約の多くが信用状態で残っているため、旅行への意欲は引き続き強いと各有力旅行会社は指摘している。
  • 7/9にオーストラリアのモリソン首相と日本の安倍首相が実施したビデオ会議の中で日豪両国間に一種の「旅行バブル」が存在する可能性があると述べた。また、日本への海外旅行再開についてにも楽観視している旨の言及がなされた。
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    アメリカ
    日常生活:

  • 依然として国内での感染拡大が続いており、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学によると、日本時間の7月30日午前5時の時点で、アメリカで新型コロナウイルス感染死亡者数が15万人を超えた。
  • 上記のような状況から、国内旅行であっても国全体では推奨されている状況ではないが、旅行はじめ各種の行動制限や経済活動の再開は州や地方ごとに実施されている。 例えば、ニューヨーク州の場合、7月28日時点で感染率等を踏まえ、産業別・エリア別に分割し4段階に分けて経済活動を再開している。(第1段階:建設業,製造業,農業,林業,水産業など、第2段階:専門サービス,金融・保険業,ヘアサロン,レストラン(店外での飲食)など)、第3段階:レストラン(店内での飲食),ホテルなど)、第4段階:芸術,エンターテーメント,リクリエーション,教育)
     
    旅行業界の動き: 

  • 業界は依然として足踏み状態が続いている。ほとんどのツアーオペレーターは10月までのすべてのツアーを公式にキャンセルとしている。
  • しかし、依然としてFIT旅行の需要は大きく、渡航が許可された場所にしか行けない状態が続いているが、その再開時期はまだ目処が立っておらず、様々な制限や入国要件緩和や航空会社のサービス再開がいつになるのか次第である。
  • 現地の有力旅行媒体「Travel + Leisure」では、アメリカ国内のコンテンツに焦点を当てた記事が目立つ。その他「CNN Travel」でも、直近の記事はアメリカ国内や近郊(カナダ、メキシコなど)のものが多い。
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    渡航制限解除やフライトの再開など、いつになるのか不透明、不確実で非常にもどかしい中ですが、今できること・やるべきことは、「いつ渡航制限やフライトの再開になっても良いようにしっかりと準備をすること」です。

    渡航制限解除やフライトの再開が発表されれば世界中のデスティネーションが一気にアクセルを踏み出し、旅行者を取り戻すための競争が世界中で激化することが予想されます。渡航制限やフライトの再開が決定してから動いていると、その分競争で遅れを取ることになりかねません。

    渡航制限解除やフライトの再開に向け、今から何をどういうスケジュールで行うのか(ただし、多少不測の自体が起こっても臨機応変に対応できる柔軟性も重要!)シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。